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石川社会保険労務士事務所 社会保険労務士 石川 利人(トシヒト)

HEADLINE

  年金額の改定の経緯及び令和7年度の年金額の改定について

(平成12年改正後の動向について)

 先ずは、平成12年改正に遡って、当時の年金額の基準となった平成10年の全国消費者物価指数(生鮮食品を含む総合指数)に対して平成11年、平成11年の全国消費者物価指数()に対して平成12年及び平成12年の全国消費者物価指数()に対して平成13年の3年間の全国消費者物価指数()がいずれも下落(▲0.3%▲0.7%及び▲0.7%)しました。ただし、「物価スライド特例措置による特例水準(特例水準)」により、それぞれの下落率をもって年金額を引き下げることなく、平成12年度から平成14年度までの年金額は据え置かれました。一方、その後の平成15年度及び平成16年度については、それぞれの前年(平成14年及び平成15)の対前年(つまり、平成13年及び平成14)比物価変動率がそれぞれ0.9%及び0.3%下落し、それに合わせて年金額も引き下げられました。つまり、平成12年度から平成16年度までの物価下落率が合計で2.9%であるにもかかわらず、実際にそれに合わせて年金額が引き下げられたのは合計1.2%分のみで、年金額が引き下げられなかった1.7%(「特例水準」)は「本来水準」に比し嵩上げされた状態となりました。そのような状況下、平成16年改正を迎えることになりました。

(平成16年改正及びその後の動向について)

 平成11年から平成15年までの下落率の合計である2.9%を平成12年改正当時の年金額である804,200円から減額した額である780,900(804,200×0.971≒780,900)を基準として毎年、改定率を乗じて得た額を各年度の年金額とする仕組みが設けられました。それは、毎年度、改定率を改定することによって自動的に行うもので、それには2種類の方法があります。

 「原則的な改定」

 これは、毎年度、受給権者の年齢に応じて改定率の改定を行うもので、下記の通りとなります。

68歳に達する年度前にある受給権者(これを「新規裁定者」と言います)の場合 「名目手取り賃金変動率」を基準として改定率の改定を行うものです。「名目手取り賃金変動率」を算出する場合、賃金の伸び率を平準化するために3年間の平均を採る必要があるなどのために68歳到達年度前とされています。

 改定率=前年度の改定率×「名目手取り賃金変動率」

68歳に達する年度以後にある受給権者(これを「既裁定者」と言います)の場合 「物価変動率」を基準として改定率の改定を行うものです。法律の条文上の表現では、「65歳に達した日の属する年度の初日の属する年の3年後の年の41日の属する年度以後」となります。

 改定率=前年度の改定率×「物価変動率」

 新規裁定者とは、新規裁定者たる受給権者が「基準年度」前にある場合を言います。既裁定者とは、既裁定者たる受給権者が「基準年度」以後にある場合を言います。「基準年度」とは、受給権者が65歳に達した日の属する年度の初日(4/1)の属する年の3年後の年の41日の属する年度のことです。つまり、68歳に達する年度のことを言います。
 例えば、昭和3141日生まれの者の場合では、当該者が65歳に達するのは令和3331日であり、その属する年度の初日である令和241日の3年後の41日とは令和541日となり、従って令和5年度が「基準年度」となります。つまり、「基準年度」において68歳に達している場合であれば「基準年度」以後となり、達していなければ「基準年度」前となります。当該者の場合、令和6331日つまり令和5年度中に68歳に達しているので、「基準年度」以後となり、既裁定者となるわけです。

 基本的には、新規裁定者は「名目手取り賃金変動率」に応じて、既裁定者は「物価変動率」に応じて改定することになりますが、既裁定者の改定率が、新規裁定者の改定率より大きくなる、つまり、物価>賃金の場合は、現役世代の保険料負担能力の低下を来たし、それは引いては、将来年金を受給することになる世代への給付水準の低下をももたらすことになりかねません。そこで、このような場合には、既裁定者も「名目手取り賃金変動率」を基に改定することにしています。上方画像(厚生労働省ホームページより引用)で言えば、を指します。これが原則です。不等式で示せは、
原則 : 物価>賃金> 1(つまり、±0%)
 しかし、下記のように、例外的な場合もあります。
例外① : 物価>1(つまり、±0%)>賃金
 この場合は、据え置きとします。上方画像で言えば、を指します。
例外② : 1(つまり、±0%)>物価>賃金
 この場合は、物価とします。上方画像で言えば、を指します。

 各左側の>としてもいいと考えます。平成19年度(物価1.003>賃金1)、平成20年度(物価1>賃金0.996)、平成25年度(物価1>賃金0.994)及び令和3年度(物価1>賃金0.999)に実例があります。以下同じ。

 なお、賃金>物価の場合には、「原則的な改定」通りとなり、賃金及び物価それぞれの変動率に応じた改定がなされることになります。上方画像で言えば、からを指します。

 「マクロ経済スライドによる改定」

 これは、財政の均衡を保つために給付額を調整する期間で、「マクロ経済スライド」によって給付額の抑制を図ることとする「調整期間」において適用される年金額の改定制度のことを言います。当該制度では、賃金や物価の変動だけでなく、「被保険者数の減少(つまり、少子化)」と「平均余命の伸び(つまり、高齢化)」といった年金財政にとってマイナスとなる要素を年金額に反映させることになります。「調整期間」における改定率の改定は、受給権者の年齢に応じて下記の通り2種類の方法があります。

 68歳に達する年度前にある受給権者(これを「新規裁定者」と言います)の改定方法

 改定率=前年度の改定率×「名目手取り賃金変動率」×スライド調整率

 68歳に達する年度以後にある受給権者(これを「既裁定者」と言います)の改定方法

 改定率=前年度の改定率×「物価変動率」×スライド調整率

  公的年金被保険者数の変動率×平均余命の伸び率(定率0.997)をもって算出されます。

 上方画像(厚生労働省ホームページより引用)の通り、「物価変動率」又は「名目手取り賃金変動率」いずれかの改定率がプラス改定となった場合に、「マクロ経済スライド」が発動され、いずれかの改定率からスライド調整率が差し引かれて年金額の改定がなされることになります。
 なお、年金額の改定の際に使用される各種指標については、法律の条文を読んでもなかなか理解し辛い部分があります。特に、「実質賃金変動率」と「可処分所得割合変化率」はかなり難解ですが、要するに、前者は、厚生年金保険の被保険者に係る「標準報酬平均額」の3年度平均を算出し、それに3年平均の物価指数の比率を加味する形になっています。後者は、厚生年金保険法に規定されている3年前と4年前の保険料率を比較することで厚生年金保険の保険料率の引上げに伴う可処分所得(いわゆる手取り賃金)の変化率を見るものです。後者については、 上方画像 (PDF)に別紙注記を付けています。ご参照下さい。

マクロ経済スライドには、「名目下限措置」と呼ばれるルールが存在し、本来の改定率(賃金又は物価)の上昇率が小さく(上方画像(厚生労働省ホームページより引用)における「賃金・物価の伸びが小さい場合」が当てはまります)、マクロ経済スライドによる調整で名目の年金額(つまり、当該上昇率よりスライド調整率のほうが大きい場合で、そのままスライド調整率を適用した場合の年金額のこと)が前年度よりも減額となる場合は、前年度の年金額のまま据え置かれることになっています。また、「賃金・物価の伸びがマイナスの場合」では、そもそもスライド調整はしないことになっています。

(年金額の改定ルールの見直しについて)


(
厚生労働省ホームページより引用)

 平成281214日に可決成立した「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律(年金改革法)」に基づき、「年金額の改定ルールの見直し」が実施されました。内容については、上記画像の通りですが、「マクロ経済スライドによる調整のルールの見直し」「賃金・物価スライドの見直し」という極めて大きな改正が行われています。下記にそれぞれの概要について解説します。 

 「マクロ経済スライドによる調整のルールの見直し」(平成3041日施行)

 従来までは、マクロ経済スライドのスライド調整については、賃金・物価の伸びがマイナスの場合には、スライド調整がなされる場合であっても、当該調整はすべてが将来へ先送りされていました。また、賃金・物価の伸びが小さい場合には、一部は調整がなされず、やはりその部分は将来へ先送りされることになっていました。しかし、それでは、「マクロ経済スライド」によって給付額の抑制を図ることとする「調整期間」が長期化することが予想され、年金財政上、好ましくない状態が続くことになります。そこで、現在の高齢年金受給者に対する配慮(つまり、「名目下限措置」)は維持しながらも、先送りされた(繰り越された)調整分を早期に解消するために、賃金・物価が上昇した年度においてその範囲内で当該未調整分(これを「キャリーオーバー」と言います)を調整する仕組みが講じられることになりました。

(平成27年度の改定率の改定について下記図表賃金・物価が十分に上昇する場合に当てはまります(平成30年度前))

 マクロ経済スライドによるスライド調整が実際になされたのは平成27年度でした。当該年度の「物価変動率」や「名目手取り賃金変動率」の数値などは下記の通りとなりました。

a 前年度の改定率    0.961(本来水準のものではなく、特例水準から導かれた改定率)(本来水準では0.985)

b 物価変動率      1.027(+2.7%)

c 名目手取り賃金変動率 1.023(+2.3%)

d 特例水準の段階的解消に伴う最終年度の調整率 0.995(▲0.5%)

e スライド調整率    0.991(公的年金被保険者数の変動率0.994×平均余命の伸び率(定率)0.997≒0.991)(▲0.9%)

 先ず、bcの比較から、「原則的な改定」で述べた「原則物価>賃金>(≧)1」の算式に当てはまり、この場合には、「名目手取り賃金変動率」が採用されることになっています。従って、当該年度の改定率としては、1.023×0.995≒1.018(本来水準では1.023)となり、プラス改定ということで、マクロ経済スライドが発動されることになったわけです。そして、前年度の改定率を反映した当該年度の改定率は0.961×(1.023×0.995×0.991)≒0.961×1.009≒0.970となりました。なお、本来水準で計算した場合は、前年度の改定率0.985×(1.023×0.991)≒0.999となりました。いずれも、

・平成16年改正前の法が定めた本来の年金支給額(満額)である804,200×0.970=780,074≒780,100

・平成16年改正後の法が定めた本来の年金支給額()である780,900×0.999=780,119.1≒780,100円 となり、端数処理後で同額となっています。

(平成28年度及び平成29年度の改定率の改定について下記図表賃金・物価が下落する場合に当てはまります(平成30年度前))

 その後の平成28年度(物価変動率1.008>名目手取り賃金変動率0.998となり、この場合は1.000、つまり前年度からの据置で、平成28年度の改定率=前年度の改定率0.999×1.000=0.999)・平成29年度(物価変動率0.999>名目手取り賃金変動率0.989となり、この場合は0.999、物価変動率をもって改定されることなり、平成29年度の改定率=前年度の改定率0.999×0.999≒0.998)といずれもプラス改定に至らず、平成28年度のスライド調整率0.993(▲0.7%)・平成29年度のスライド調整率0.995(▲0.5%)はいずれも調整されることなく先送りとなりました。

(平成30年度の改定率の改定について下記図表賃金・物価が下落する場合に当てはまります(平成30年度以後))

 「キャリーオーバー」の仕組みが施行された平成30年度を迎えました。当該年度の「物価変動率」や「名目手取り賃金変動率」の数値などは下記の通りとなりました。

a 前年度の改定率    0.998(本来水準の改定率)

b 物価変動率      1.005(+0.5%)

c 名目手取り賃金変動率 0.996(▲0.4%)

d スライド調整率    0.997(公的年金被保険者数の変動率1.000×平均余命の伸び率(定率)0.997=0.997)(▲0.3%)

 先ず、bcの比較から、「原則的な改定」で述べた「例外①→物価>1>賃金」の算式に当てはまり、この場合には、1が採用されることになっています。従って、当該年度の改定率としては、1となり、プラス改定ではなく、マクロ経済スライドが発動されませんでした。当該年度から施行された「キャリーオーバー」により、スライド調整率0.997(▲0.3%)(これを「特別調整率」と言います)は改定率から差し引かれることなく翌年度以後に繰り越されることになったわけです。そして、前年度の改定率を反映した当該年度の改定率は0.998×1=0.998となりました。

(令和1年度の改定率の改定について下記図表賃金・物価が十分に上昇する場合に当てはまります(平成30年度以後))

 前年度において施行された「キャリーオーバー」により、前年度のスライド調整率0.997(▲0.3%)は「前年度の特別調整率」として令和1年度に繰り越されています。当該年度の「物価変動率」や「名目手取り賃金変動率」の数値などは下記の通りとなりました。

a 前年度の改定率    0.998(本来水準の改定率)

b 物価変動率      1.01(+1%)

c 名目手取り賃金変動率 1.006(+0.6%)

d スライド調整率    0.998(公的年金被保険者数の変動率1.001×平均余命の伸び率(定率)0.997≒0.998)(▲0.2%)

 先ず、bcの比較から、「原則的な改定」で述べた「原則物価>賃金>(≧)1」の算式に当てはまり、この場合には、「名目手取り賃金変動率」が採用されることになっています。従って、当該年度の改定率としては、1.006となり、プラス改定ということで、マクロ経済スライドが発動されることになったわけです。当該年度については、前年度から繰り越された「前年度の特別調整率0.997」に当該年度のスライド調整率0.998を乗じると0.995(▲0.5%)ということで、0.995(▲0.5%)すべてを「名目手取り賃金変動率」から差し引きことが可能となりました。そして、前年度の改定率を反映した当該年度の改定率は0.998×(1.006×0.997×0.998)=0.998×1.001≒0.999となりました。このように、前年度から繰り越された「前年度の特別調整率」が解消され、当該年度の調整率も調整された場合は、当該年度の「特別調整率」としては1ということになり、次年度において、これが「前年度の特別調整率」として計上されることになりました。なお、どうして1になるのかについては、弊職が作成した「改定率の改定の経緯について」とする図表(Excel)(下方に画像あり)に解説していますので、「年金改革法」の中の国民年金法(令和3年4月1日施行)第27条の2から第27条の5までの新旧対照条文(P19~23)(厚生労働省ホームページより引用)の「現行(平成30年4月1日施行分が反映されたもの)」欄をご参照の上、ご理解いただければ幸いです。

(令和2年度の改定率の改定について下記図表賃金・物価が十分に上昇する場合に当てはまります(平成30年度以後))

 当該年度の「物価変動率」や「名目手取り賃金変動率」の数値などは下記の通りとなりました。

a 前年度の改定率    0.999(本来水準の改定率)

b 物価変動率      1.005(+0.5%)

c 名目手取り賃金変動率 1.003(+0.3%)

d スライド調整率    0.999(公的年金被保険者数の変動率1.002×平均余命の伸び率(定率)0.997≒0.999)(▲0.1%)

 先ず、bcの比較から、「原則的な改定」で述べた「原則物価>賃金>(≧)1」の算式に当てはまり、この場合には、「名目手取り賃金変動率」が採用されることになっています。従って、当該年度の改定率としては、1.003となり、プラス改定ということで、マクロ経済スライドが発動されることになったわけです。そして、前年度の改定率を反映した当該年度の改定率は0.999×(1.003×0.999)=0.999×1.002≒1.001となりました。当該年度の調整率が調整され、当該年度の「特別調整率」としては1ということになり、次年度において、これが「前年度の特別調整率」として計上されることになりました。 


(
厚生労働省ホームページより引用)

「賃金・物価スライドの見直し」(令和341日施行)及び令和3年度の年金額の改定について
  令和3年度からの「年金額の改定ルール」の施行により、支え手である現役世代(保険料を負担している世代)の負担能力に応じた給付とする観点から、物価>賃金の場合でも、賃金変動に合わせて改定する考え方が徹底されることになりました。ただ、物価<賃金の場合では、新規裁定者の場合は「名目手取り賃金変動率」をもって、既裁定者の場合は「物価変動率」をもって改定率の改定を行うことは従来と変わりません。さらに、上記した (平成16年改正及びその後の動向について) ①「原則的な改定」で述べましたように、 物価>賃金の場合で、原則 : 物価>賃金> (≧) 1(つまり、±0%) の場合、新規裁定者・既裁定者いずれについても「名目手取り賃金変動率」をもって改定率の改定を行うことも従来と変わりません。下記画像の赤枠にるある通り、当該改正で実施されるのは、 例外① : 物価>1(つまり、±0%)>賃金 の場合でも、例外② : 1(つまり、±0%)>(≧)物価>賃金 の場合でも、従来はそれぞれ、例外① では1、例外では「物価変動率」をもって改定率の改定を行っていたものを、いずれも「名目手取り賃金変動率」をもって改定率の改定を行うというものです。 そして、当該改正が実践されたのが令和3年度です。

(
令和3年度の年金額の改定について)厚生労働省ホームページより引用した「令和3年度の年金額改定についてお知らせします」は
こちらからどうぞ
 当該年度の「物価変動率」や「名目手取り賃金変動率」の数値などは下記の通りとなりました。
a
 前年度の改定率    1.001(本来水準の改定率)
b
 物価変動率      1(±0%)
c
 名目手取り賃金変動率 0.999(▲0.1%)
d
 スライド調整率    0.999(公的年金被保険者数の変動率1.002×平均余命の伸び率(定率)0.997=0.999)(▲0.1%)
 先ず、bcの比較から、「原則的な改定」で述べた 例外② : 1(つまり、±0%)>(≧)物価>賃金 の算式に当てはまり、従来までであれば、「物価変動率」が採用されることになり、当該年度の改定率としては、1となります。しかし、当該改正により、この場合でも、当該年度は「名目手取り賃金変動率」が採用されることになり、当該年度の改定率としては、0.999となりました。ただ、プラス改定ではありませんので、マクロ経済スライドが発動されませんでした。従って、平成30年度から施行された「キャリーオーバー」により、スライド調整率0.999(▲0.1%)(これを「特別調整率」と言います)は改定率から差し引かれることなく次年度以後に繰り越されることになったわけです。そして、前年度の改定率を反映した当該年度の改定率は1.001×0.999≒1となりました。従って、令和3年度の年金額は780,900×1=780,900円となっています。

(
令和4年度の年金額の改定について)厚生労働省ホームページより引用した「令和4年度の年金額改定についてお知らせします」は
こちらからどうぞ
 当該年度の「物価変動率」や「名目手取り賃金変動率」の数値などは下記の通りとなりました。
a
 前年度の改定率    1(本来水準の改定率)
b
 物価変動率      0.998(▲0.2%)
c
 名目手取り賃金変動率 0.996(▲0.4%)
d
 スライド調整率    0.998(公的年金被保険者数の変動率1.001×平均余命の伸び率(定率)0.997=0.999)(▲0.2%)
 先ず、bcの比較から、「原則的な改定」で述べた 例外② : 1(つまり、±0%)>(≧)物価>賃金 の算式に当てはまり、従来までであれば、「物価変動率」が採用されることになり、当該年度の改定率としては、0.998となります。しかし、令和3年度から施行された改正により、この場合でも、当該年度は「名目手取り賃金変動率」が採用されることになり、当該年度の改定率としては、0.996となりました。ただ、プラス改定ではありませんので、マクロ経済スライドが発動されませんでした。従って、平成30年度から施行された「キャリーオーバー」により、スライド調整率0.998(▲0.2%)(これを「特別調整率」と言います)は改定率から差し引かれることなく次年度以後に繰り越されることになったわけです。そして、前年度の改定率を反映した当該年度の改定率は1×0.996=
0.996となりました。従って、令和4年度の年金額は780,900×0.996=777,800円となっています。


(
厚生労働省ホームページより引用)

  「賃金・物価スライドの見直し」(令和341日施行)については、国民年金法(令和3年4月1日施行)第27条の2から第27条の5までの新旧対照条文(P19~23)(厚生労働省ホームページより引用) の「改正案(令和341日施行分)」欄をご参照の上、ご理解いただければ幸いです。

(令和5年度の年金額の改定について)厚生労働省ホームページより引用した「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」はこちらからどうぞ
 当該年度の「物価変動率」や「名目手取り賃金変動率」の数値などは下記の通りとなりました。
a
 前年度の改定率    0.996(本来水準の改定率)
b
 物価変動率      1.025(+2.5%)
c
 名目手取り賃金変動率 1.028(+2.8%)
d
 スライド調整率    0.997(公的年金被保険者数の変動率1.000×平均余命の伸び率(定率)0.997=0.997)(▲0.3%)
 先ず、bcの比較から、「原則的な改定」で述べているように、賃金>物価という形となり、近年では見られなかった状況となりました。この場合には、「新規裁定者」の場合には、改定率=前年度の改定率×「名目手取り賃金変動率」で、「既裁定者」の場合には、改定率=前年度の改定率×「物価変動率」で、受給権者の年齢に応じて個別に改定率の改定を行うことになりました。また、大幅なプラス改定となりましたので、前年度までのマクロ経済スライドの未調整分(令和3年度の繰越分である0.999(▲0.1%)と令和4年度の繰越分である0.998(▲0.2%)との合計繰越分である0.997(▲0.3%))に加えて、当該年度のマクロ経済スライドによるスライド調整率である0.997(▲0.3%)もそれぞれの改定率から差し引かれることになりました。このように、前年度までの未調整分と当該年度の調整分がすべて調整されたことで、当該年度の「特別調整率」としては1ということになり、次年度において、これが「前年度の特別調整率」として計上されることになりました。

 従って、前年度の改定率を反映した当該年度の改定率は下記のようになります。
・「新規裁定者」の場合→前年度の改定率0.996×名目手取り賃金変動率1.028×0.999×0.998×0.997≒
1.018 780,900円×1.018≒795,000円(月額66,250円)
・「既裁定者」の場合→前年度の改定率0.996×物価変動率1.025×0.999×0.998×0.997≒
1.015 780,900円×1.015≒792,600円(月額66,050円)

 

(令和6年度の改定率の改定について)厚生労働省ホームページより引用した「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」はこちらからどうぞ

 当該年度の「物価変動率」や「名目手取り賃金変動率」の数値などは下記の通りとなりました。

a 前年度の改定率    新規裁定者の場合1.018(本来水準の改定率) 
             既裁定者の場合 1.015(同上)

b 物価変動率      1.032(+3.2%)

c 名目手取り賃金変動率 1.031(+3.1%)

d スライド調整率    0.996(公的年金被保険者数の変動率0.999×平均余命の伸び率(定率)0.997≒0.996)(▲0.4%)

※ 先ず、bとcの比較から、①「原則的な改定」で述べた「原則→物価>賃金>(≧)1」の算式に当てはまり、この場合には、「名目手取り賃金変動率」が採用されることになっています。また、大幅なプラス改定となりましたので、マクロ経済スライドが発動されることになったわけです。従って、当該年度において採用された「名目手取り賃金変動率」である3.1%からスライド調整率(▲0.4%)が差し引かれることで当該年度としての年金額の改定率は2.7%(つまり、前年度からは2.7%の引き上げ)となりました。そして、前年度の改定率を反映した当該年度の改定率は下記のようになります。
・「新規裁定者」の場合→前年度の改定率1.018×名目手取り賃金変動率1.031×スライド調整率0.996≒1.045 780,900円×1.045≒815,000円(月額68,000円)
・「既裁定者」の場合→前年度の改定率1.015×名目手取り賃金変動率1.031×スライド調整率0.996≒1.042 780,900円×1.042≒813,700円(月額67,808円)
となりました。当該年度の調整率が調整され、当該年度の「特別調整率」としては1ということになり、次年度において、これが「前年度の特別調整率」として計上されることになりました。


※ なお、昭和31年4月2日から昭和32年4月1日生まれの人は令和6年度において、既裁定者の仲間入りとなりましたが、それは、令和5年度における年金額の改定(つまり、物価・賃金ともに上昇し、しかも物価変動率<名目手取り賃金変動率となった場合で、既裁定者については物価変動率を、新規裁定者については名目手取り賃金変動率が適用されるという原則的な改定ルールに基づくもの)が、令和6年度においても採用された場合のことであって、令和6年度における年金額の改定は、物価・賃金ともに上昇したものの物価変動率>名目手取り賃金変動率となって、既裁定者・新規裁定者いずれについても名目手取り賃金変動率が適用されるという例外的な改定ルールが採用されたことで、昭和31年4月2日から昭和32年4月1日生まれの人については、物価変動率ではなく名目手取り賃金変動率(つまり、既裁定者の立場でありながら新規裁定者的な扱い)をもって年金額が計算されることになっています。日本年金機構ホームページにおいて公表されている「令和6年度版 老齢年金ガイド」や「令和6年度 障害年金ガイド」などを見ても、随所に「昭和31年4月1日以前に生まれた方」との表現が使われており、「昭和31年4月1日以前生まれの人」を既裁定者としていることが窺えます。つまり、昭和31年4月2日以後生まれの人については、令和6年度の既裁定者の改定率1.042ではなく、新規裁定者の改定率である1.045をもって計算されることになるわけです。

(令和7年度の改定率の改定について)厚生労働省ホームページより引用した「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」はこちらからどうぞ

 当該年度の「物価変動率」や「名目手取り賃金変動率」の数値などは下記の通りとなりました。

a 前年度の改定率    新規裁定者の場合1.045(本来水準の改定率) 
             既裁定者の場合 1.042(同上)

b 物価変動率      1.027(+2.7%)

c 名目手取り賃金変動率 1.023(+2.3%)

d スライド調整率    0.996(公的年金被保険者数の変動率0.999×平均余命の伸び率(定率)0.997≒0.996)(▲0.4%)

※ 先ず、bとcの比較から、①「原則的な改定」で述べた「原則→物価>賃金>(≧)1」の算式に当てはまり、この場合には、「名目手取り賃金変動率」が採用されることになっています。また、大幅なプラス改定となりましたので、マクロ経済スライドが発動されることになったわけです。従って、当該年度において採用された「名目手取り賃金変動率」である2.3%からスライド調整率(▲0.4%)が差し引かれることで当該年度としての年金額の改定率は1.9%(つまり、前年度からは1.9%の引き上げ)となりました。そして、前年度の改定率を反映した当該年度の改定率は下記のようになります。
・「新規裁定者」の場合→前年度の改定率1.045×名目手取り賃金変動率1.023×スライド調整率0.996≒1.065 780,900円×1.065≒831,700円(月額69,308円)
・「既裁定者」の場合→前年度の改定率1.042×名目手取り賃金変動率1.023×スライド調整率0.996≒1.062 780,900円×1.062≒829,300円(月額69,108円)
となりました。当該年度の調整率が調整され、当該年度の「特別調整率」としては1ということになり、次年度において、これが「前年度の特別調整率」として計上されることになりました。


※ なお、昭和32年4月2日から昭和33年4月1日生まれの人は令和7年度において、既裁定者の仲間入りとなりましたが、それは、令和5年度における年金額の改定(つまり、物価・賃金ともに上昇し、しかも物価変動率<名目手取り賃金変動率となった場合で、既裁定者については物価変動率を、新規裁定者については名目手取り賃金変動率が適用されるという原則的な改定ルールに基づくもの)が、令和7年度においても採用された場合のことであって、令和7年度における年金額の改定は、物価・賃金ともに上昇したものの物価変動率>名目手取り賃金変動率となって、既裁定者・新規裁定者いずれについても名目手取り賃金変動率が適用されるという例外的な改定ルールが採用されたことで、昭和32年4月2日から昭和33年4月1日生まれの人については、物価変動率ではなく名目手取り賃金変動率(つまり、既裁定者の立場でありながら新規裁定者的な扱い)をもって年金額が計算されることになっています。従って、昭和31年4月2日以後生まれの人(令和6年度においても同様の改定ルールが採用されたことで、昭和31年4月2日以後となります。「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」においてもそのことが明記されています。ご確認下さい)については、令和7年度の既裁定者の改定率1.062ではなく、新規裁定者の改定率である1.065をもって計算されることになるわけです。

 なお、年金額の改定の経緯について、各年度ごとの解説集みたいなもの(PDF)を作成しています。ご参考になさって下さい。

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社会保険労務士 
石川 利人(トシヒト)

〒651-1223
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TEL 078-224-4782
FAX 078-224-4782

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<主なリンク先>










<2025(令和7)年41日付で施行された法改正等リスト>
 本件につき、一覧表にしてみました。ご覧下さい。こちらからどうぞ。

<雇用保険の基本手当の離職理由による給付制限について>
 政府の「新しい資本主義実現会議」において検討課題のひとつとして挙げられている、いわゆる「給付制限期間の撤廃」については、その行方は非常に注目されるところです。
 さて、令和2年10月1日より、給付制限期間が待機期間(7日間)満了後、原則2か月間(ただし、直近の離職日から遡って5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けていた場合は給付制限期間は3か月間となります)へ短縮されたばかりですが、さに、令和7年4月1日(同日以後に受講を開始したものに限ります)からは、離職期間中や離職日前1年以内に、自己都合退職者が教育訓練(専門実践・特定一般・一般)給付金の対象となる教育訓練、公共職業訓練等、短期訓練受講費の対象となる教育訓練などを行った場合には、原則の給付制限が解除されることになります。また、「通達」の改正により、原則の給付制限期間を上記の2か月から1か月へ短縮する措置が講じられることになっています。詳細は下方にある「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」とするリーフレットをご参照下さい。


※ 厚生労働省ホームページより引用

※ 内閣官房ホームページにある「新しい資本主義実現本部/新しい資本主義実現会議」の「新しい資本主義実現会議(第14回)」の基礎資料の中から抜粋



※ 厚生労働省ホームページより引用

<令和7年度雇用保険料率等について>
 厚生労働省ホームページにおいて公表されています。令和7年度の失業等給付に係る保険料率は令和6年度からは0.1%引き下げられ、7/1,000(労使折半)になっています。その他詳細は当ホームページにある「雇用保険の基本手当日額等の変更について」をご参照下さい。

<令和7年度都道府県単位保険料及び介護保険料率について>
令和7年度都道府県単位保険料率が協会けんぽホームページにおいて発表されました。ご確認下さい。参考までに、兵庫県では、前年度101.8/1,000(10.18%)から101.6/1,000(10.16%)へ引き下げられました。
・介護保険料率については、こちら(PDF)からどうぞ。前年度16.1/1,000(1.61%)から15.9/1,000(1.59%)へ引き下げられます。
※ いずれも、全国健康保険協会ホームページより引用しています。

<労働安全衛生法の改正要綱について>
 下記にその主なものを列挙します。

・同法の保護対象を労働者だけでなく、フリーランスを含む個人事業者にまでその範囲を拡大することとなります。改正要綱(労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案要綱)(厚生労働省ホームページより引用)では、個人事業者を次のように定義しています。(施行予定は令和8年4月1日)
 「事業を行う者で労働者を使用しないもの」
・現行の「ストレスチェック制度」では、50人以上の労働者を使用する事業場がその適用対象とされていますが、改正労働安全衛生法の公布の日から3年を超えない範囲内において政令で定める日以降は、50人未満、つまり全事業場が適用対象となる予定です。
・事業者は、高年齢者の労働災害の防止を図るために、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善等に必要な措置を講ずるよう努めなければならないようになります。(施行予定は令和8年4月1日)


<令和7年度の年金額等改定について>
 前年の対前年比物価変動率(+2.7%)が名目手取り賃金変動率(+2.3%)を上回り、かつ、名目手取り賃金変動率がマイナスとならない場合には、年金額は名目手取り賃金変動率で改定することが法律で定められていることから、名目手取り賃金変動率(+2.3%)をもって改定されることになります。さらに当該年度のマクロ経済スライドによる調整(▲0.4%)が加えられ、前年度からは1.9%の引き上げとなりました。詳細はこちらからどうぞ。
※ 改定率の改定の経緯について(Excel)を作成しています。
※令和7年度用の公的年金額等について(主要なもの)(Excel)を作成しています。

※また、「年金給付の経過措置一覧(令和7年度)」(日本年金機構ホームページより引用)はこちらからどうぞ。
ご参考になさって下さい。

<「闇バイト」に係る件で注意喚起>
 令和6年12月18日、厚生労働省ホームページにて、求人企業に対しては、募集情報提供時の注意点として、求職者の皆さまに対しては、SNSの投稿から直接募集主に応募する際の注意点として、それぞれ注意喚起が提起されました。くれぐれもご留意下さい。



<不正アクセスによる個人情報の漏えい等にご注意下さい!!>
 
個人情報保護委員会より、全国社会保険労務士会連合会を通じ情報提供がございました。中小企業などの皆さま、くれぐれもご留意下さい。



<「資格確認書」を交付申請する場合について>
 「人事労務トピックス」にて情報提供しています。ご参考になさって下さい。

<年収の壁について>
 「年収の壁」がいま注目されています。少数与党の命運を左右するとも言われている、つまりキャスティングボートを握る某政党が主張する「103万円の壁」の見直しについては、その行方が気になるところです。当ホームページにある「人事労務トピックス_年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」では、参考資料として「年収の壁について」を掲載しています。是非ご覧下さい。

<11月は「しわよせ」防止キャンペーン月間です>
 大企業等による長時間労働の削減等の取組、それ自体は時勢に叶ったものとして何ら批判を受けるものではありませんが、そのことで取引先である下請等中小事業者に対して、大企業等が適正なコスト負担を伴わない形での「短納期発注」や「急な仕様変更」などを求めることは、下請等中小事業者に様々な悪影響や不利益を被らせることになります。
 そこで、厚労省が所管する「労働時間等設定改善法」や経産省・中小企業庁が所管する「下請中小企業振興法」といった法令に基づき、両者が共存共栄できるよう様々な施策が講じられています。下請中小企業振興法では、下請中小企業の振興を図るため、下請事業者及び親事業者の依るべき一般的な基準として「振興基準(下記図表の通り」を定めています。なお、この「振興基準」も含め「下請中小企業振興法」については、中小企業庁ホームページをご参照下さい。


※ 厚生労働省ホームページより引用

※ 中小企業庁ホームページより引用

 また、下請取引の公正化・下請事業者の利益保護を図る「下請法」の対象となる取引では、大企業による中小企業いじめが横行している実態が新聞報道等で明らかになっています。そのような非難や批判をかわすためであろうか、新手の回避策まで出現しているとのことである。下記①の、親事業者の資本金1千万円超3億円以下/下請事業者の資本金1千万円以下の場合といった下請法の対象となる資本金規模に該当する事業者同士の場合で、親事業者が下請事業者に対して、その資本金を1千万円から1.2千万円に増資させて下請法逃れを実際に行ったといったことが報告されています。早急な対策が求められるところです。
① 物品の製造・修理委託及び政令で定める情報成果物・役務提供委託を行う場合

② 情報成果物作成・役務提供委託を行う場合(①の情報成果物・役務提供委託を除く)

※ 公正取引委員会ホームページより引用
※ なお、「下請法の概要」が公正取引委員会ホームページに掲載されています。ご参照下さい。

<労働安全衛生法「労働者死傷病報告」が令和7年1月1日から電子申請が義務化されます>
 同報告は労働安全衛生規則第97条に規定されているもので、同条では第1条で死亡及び休業4日以上の場合(厚生労働省ホームページより引用)と、第2条で休業4日未満の場合(同)(当該報告は、毎年1月から3か月ごとの期間内で発生した労働災害を取りまとめて、各期間の最終月の翌月末までに行うものです)とにそれぞれ区分され、それぞれ様式も違っています。今回の電子申請義務化の対象になるのは前者のようです。それ以外にも、「定期健康診断結果報告」など7種類の報告も合わせて義務化される予定です。
 なお、電子申請に当たっては、厚生労働省ポータルサイト「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」(厚生労働省ホームページより引用)をご活用いただくことで届出する様式(帳票)を作成・印刷したり、画面から入力した情報をe-Govを介して直接電子申請することができるなど利便性が向上しています。是非ご活用下さい。


※ 厚生労働省ホームページより引用

<令和6年度雇用保険料率等について>
 厚生労働省ホームページにおいて公表されています。令和6年度の失業等給付に係る保険料率は令和5年度と同率で、原則(本則)の8/1,000(労使折半)になっています。その他詳細は当ホームページにある「雇用保険の基本手当日額等の変更について」をご参照下さい。

<令和6年度都道府県単位保険料及び介護保険料率について>
・都道府県単位保険料率については、こちら(PDF)からどうぞ。参考までに、兵庫県では、前年度101.7/1,000(10.17%)から101.8/1,000(10.18%)へ引き上げられます。
・介護保険料率については、こちら(PDF)からどうぞ。前年度18.2/1,000(1.82%)から16/1,000(1.6%)へ引き下げられます。
※ いずれも、全国健康保険協会ホームページより引用しています。
※ 同協会兵庫支部の「令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」はこちらからどうぞ。なお、子ども・子育て拠出金率については、平成30年度にその上限が0.25%から0.45%に引き上げられ、平成30年度0.29%、令和元年度0.34%、令和2年度から令和6年度まで0.36%で据え置かれています。


<令和6年度年金額等改定について>
 前年の対前年比物価変動率(+3.2%)が名目手取り賃金変動率(+3.1%)を上回り、かつ、名目手取り賃金変動率がマイナスとならない場合には、年金額は名目手取り賃金変動率で改定することが法律で定められていることから、名目手取り賃金変動率(+3.1%)をもって改定されることになります。さらに当該年度のマクロ経済スライドによる調整(▲0.4%)が加えられ、前年度からは2.7%の引き上げとなりました。詳細はこちらからどうぞ。
※令和6年度用の公的年金額等について(主要なもの)(Excel)を作成しています。
※また、「年金給付の経過措置一覧(令和6年度)」(日本年金機構ホームページより引用)はこちらからどうぞ。
ご参考になさって下さい。


<注意喚起>
 ハローワークインターネットサービスホームページにおいて解説されている「育児休業給付について」の中の概要 育児休業給付とは…で示された図表(例3)の誤りについて

 上記画像にPDF資料を添付しましたのでご参照下さい。
※ なお、令和5年8月1日付で「育児休業給付の内容と支給申請手続(令和5年8月1日改訂版)」が同ホームページにおいて公開されました。ご確認下さい。

<危険有害な作業を行う事業者に課される措置義務について>
 2023(令和5)年4月1日から、
① 事業者が作業の一部を一人親方や下請業者に請け負わせる場合の措置義務
② 同じ作業場所にいる事業者の労働者以外の一人親方、他社の労働者、資材搬入業者、警備員などに対して負う措置義務
 これらが事業者に課せられる新たな措置義務の内容となります。

※ 厚生労働省ホームページより引用
※ 詳細については、こちらからどうぞ
※ なお、事業者が作業の全部を一人親方に請け負わせた場合は、事業者は発注者の立場になるため当該措置義務を負わず、またその一人親方も当然ながら当該措置義務を負わないとのことです。➡厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課に確認済

<雇用関係助成金ポータルが創設されます>
 令和5年4月から順次、雇用関係助成金につき、創設されるポータルサイトでの電子申請が利用できるようになります。是非ご活用下さい。なお、ご利用に当たっては、「GビズID」の取得が必要になります。
 また、ポータルサイトのURLは後日、厚生労働省ホームページにおいて公開される予定です。




<「高齢者施設における面会再開に向けた取り組み事例」が紹介されています(高齢者施設職員向け)>
 依然、新型コロナウイルス感染症のまん延が続く中、医療機関や高齢者施設などでは面会禁止という強い措置が施されるケースが多発しています。そのような中でも、できるだけ利用者とその家族との面会が実現できるよう、全面的とは言えない状態とはいえ、知恵を絞っていただいている施設があります。そのような施設がどんどん増えていってくれることを願わざるを得ません。

※ 厚生労働省ホームページより引用

<令和5年度都道府県単位保険料及び介護保険料率について>
・都道府県単位保険料率については、こちら(PDF)からどうぞ。参考までに、兵庫県では、前年度101.3/1,000(10.13%)から101.7/1,000(10.17%)へ引き上げられます。
・介護保険料率については、こちら(PDF)からどうぞ。前年度16.4/1,000(1.64%)から18.2/1,000(1.82%)へ引き上げられます。
※ いずれも、全国健康保険協会ホームページより引用しています。
※ 同協会兵庫支部の「令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」はこちらからどうぞ。


<老齢年金の特例的な繰下げみなし増額制度が開始されています>
 70歳以降に繰下げの申出をせず本来の裁定請求をした場合でも、例えば72歳で裁定請求をした場合には5年前の67歳の時点で繰下げの申出があったものとみなして、65歳から67歳までの2年間は繰下げ待機期間として、0.7%×24か月=16.8%という増額率をもって、67歳から72歳までの5年間分については、その増額された年金額が一括して支給され、72歳からは上記増額率をもって増額された年金額が支給されるというものです。これを「特例的な繰下げみなし増額制度」と言います。令和5年4月1日から施行されています。
※ 詳細は日本年金機構ホームページをご確認下さい。
※ 当ホームページの「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律について」3.受給開始時期の選択肢の拡大をご参照下さい。

<令和5年度年金額等改定について>
 令和5年度の年金額等が改定されました。当該年度は近年なかった「原則的な改定」となりました。

・「新規裁定者」「既裁定者」それぞれで年金額が改定されています。「新規裁定者」は名目手取り賃金変動率2.8%、「既裁定者」は物価変動率2.5%をもって改定され、さらに当該年度のマクロ経済スライドによる調整(▲0.3%)に加えて、令和3年度及び令和4年度におけるマクロ経済スライドの未調整分の調整(合計▲0.3%)も行われ、それら調整後の改定率はそれぞれ2.2%・1.9%となっています。詳細はこちらからどうぞ。
※令和5年度用の公的年金額の端数処理表(主要なもの)(Excel)を作成しています。
※また、「年金給付の経過措置一覧(令和5年度)」(日本年金機構ホームページより引用)はこちらからどうぞ。
ご参考になさって下さい。


<障害者雇用率の引き上げについて>
 一般事業主の場合、現行2.3%(つまり、常時43.5人以上の労働者(短時間労働者※が0人の場合として)を雇用している事業主が対象)が令和5年度からは2.7%(同38.5人以上)へ引き上げられます。ただし、経過措置があり、令和5年度は2.3%で据置き、令和6年度からは2.5%(同40人以上)へ、令和8年度からは2.7%へと段階的に引き上げられることになる予定です。
※ これは、週の所定労働時間が通常の労働者に比し短く、かつ30時間未満である者をいい、このうち20時間以上である者が障害者雇用率等の対象となります。
* 「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」とするリーフレット(厚生労働省ホームページより引用)が公開されています。

<中小企業の月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率が50%へ>
 既に導入されている大企業(H22.4.1~)から遅れること13年、中小企業に適用されてきた猶予措置(25%)がR5.3.31をもっていよいよ撤廃されることになります。ご留意下さい。
※ 詳細については、厚生労働省・中小企業庁によるリーフレット(PDF)をご参照下さい。

<厚生労働省ホームページに「賃金引上げ特設ページ」が開設されました>
 未曾有の物価上昇に歯止めがかからない状況が続いて、庶民の生活は火の車と化しています。経団連の会長は「物価高に負けない持続的な賃上げを経済界に呼び掛けたい」と意気込むものの、それが中小企業にまで波及しうるのか予断を許さないところです。


※ 厚生労働省ホームページより引用。PDFはこちらからどうぞ。

<社会保険手続きでの電子申請利用促進のリーフレット>

※ 日本年金機構ホームページより引用

<オンライン事業所年金情報サービスが令和5年1月より開始されています>

※ 日本年金機構ホームページより引用
※ なお、令和6年1月からは、「 保険料納入告知額・領収済額通知書 」についても当該サービスの対象となっています。

<兵庫社労士成年後見センターご案内>

※ 兵庫県社会保険労務士会ホームページより引用

<適格請求書発行事業者の登録を受けています>
 いわゆる「インボイス制度」令和5年10月1日から開始されます。弊職もその登録事業者になっています。
消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されます(令和5年10月1日~)(国税庁ホームページより引用)をご参照下さい。

社会保険労務士 石川 利人(トシヒト)